引越し事業の拡大強化は同社にとって将来を左右する重要な展開だ。ヤマト運輸の業績だが、相変らず堅調である。とはいえ脱宅急便戦略への取り組みは以前にも増して強化されていて、引越しもその脱宅急便の柱の一つになっている。しかし現在のところの業績は、やはり収入収益の大黒柱である宅急便とくにクール、タイムなど付加価値の高いサービスが依然として好調で、96年4月の取扱個数は前年同期比を大幅に上回る勢いで、97年3月期の売上高は期初予想を100億円も大幅に上回る公算が強い。クール宅急便用車両などの増強で、減価償却費が増えるものの、経常利益は230億円程度と実に7期連続で最高益を更新する見通しだ。“中興の祖”小倉昌男前会長が、「ヤマト運輸に大企業病が発生している」と警告を発し、体質強化のために会長に復帰し荒療治を実施した効果があらわれているのであろう。
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